青森の奥座敷、湯めぐりも楽しめる浅虫温泉 、 湯治場の伝統のあるその名のとおり、酸っぱいお湯の酸ヶ湯温泉・八甲田温泉郷 などが人気。
青荷温泉
青荷温泉
青荷温泉
ランプの明かりが醸し出すひなびた風情を大切にする宿
黒石藩の旧城下町の面影を残す黒石市街から、十和田湖へといたる国道102号線沿いには、素朴な温泉地が連なる。温湯、板留、温川とそれぞれ泉質は異なるものの、いずれも湯治色の濃い、良質の温泉ばかりだ。南八甲田の櫛ガ峰から流れる青荷渓流沿いで湯煙りを上げる青荷温泉へは、この国道を途中で折れる。緑深い谷あいにポツンとたたずみ、いまだにランプを灯す「青荷温泉旅館」はまさに秘湯と呼ぶに相応しい雰囲気だ。宿はランプの宿から連想する、古びれた感じはない。本館と廊下で繋がる水車館、茅葺きのふるさと館、ヒバ造りの別館の4棟からなり、客室は清潔だ。とくにランプが灯る夜は、一層風情が増し、山の秘湯を満喫できる。

浅虫温泉
浅虫温泉
浅虫温泉
青森市の奥座敷として発展した睦奥湾沿いの温泉町
青森市から睦奥湾沿いに14qほど、クルマでも電車でも約30分の、夏泊半島の付根にある温泉町。平安時代に法然上人によって発見されたとする由緒ある湯処だ。地の利のよさもあって、古くから青森の奥座敷として人気が高い。多くの宿が睦奥湾に面するか、または湾を眺望できるロケーションに建っている。温泉付きの宿泊施設は民宿も合わせて20軒以上。太宰治や棟方志功などが投宿したことで名高い椿旅館をはじめ、老舗旅館も軒を連ね、一部には大規模ホテルもあるものの、ほとんどはこぢんまりしており、しっとりくつろげる。温泉街近くにある浅虫海釣り公園では春はメバルやホッケ、夏がカレイ、秋はシマダイなどが集まり、釣り人たちでおおにぎわい。夏の夜を彩るねぶた祭りは青森、弘前が名高いが、発祥の地はここ、浅虫といわれている。毎年7月20日から24日まで、盛大に催される。

黄金崎不老ふ死温泉
黄金崎不老ふ死温泉
黄金崎不老ふ死温泉
湯煙りの向こうに雄大な日本海のパノラマが広がる
青森県は津軽国定公園の西端部に位置する、日本海に突き出た黄金崎に湧く海のいで湯「黄金崎不老ふ死温泉」。弘前から西へ約80q、弘前を見下ろして鎮座する岩木山をかすめ、日本海独特のごつごつした荒々しい岩浜をたどって行く。JR五能線と並んで海沿いを走る国道101号は、江戸時代に大間越街道と呼ばれ、秋田藩と津軽藩を結ぶ要所であった。しかし、今では往時を偲ぶものは何もなく、ひっそりとしてまさに最果ての地といった趣がある。「黄金崎」の名のとおり、湯は赤みがかった黄金色。これは、温泉の成分が湧出時に空気にふれて酸化するためだ。海に張り出した露天風呂は海面すれすれで、満潮時には海水が湯舟に流れこんでくる。付近は夕陽海岸といわれており、日本海が茜色に染まる黄昏時が最も美しい。磯の香りいっぱいの野趣あふれる温泉場だ。

酸ヶ湯温泉
酸ヶ湯温泉
酸ヶ湯温泉
ヒバ千人風呂が圧巻、八甲田に湧くみちのくの名湯十和田八幡平国立公園の北部、八甲田の主峰大岳の西麓900mに位置する酸ヶ湯温泉。八甲田山、奥入瀬渓谷、十和田湖を結ぶみちのくの観光基地にあたる、全国の温泉ファン憧れのいで湯だ。今から遡ること300年あまり、貞享元年(1684)にシカが傷を癒した霊泉として発見されたことから、「鹿の湯」と名付けられたのが始まり。当時から薬効の高さで知られ、遠方からはるばるやってくる客が絶えなかったという。鼻につんとくる白濁した酸性硫黄泉は、皮膚に傷があるとしみるほど。神経痛、リウマチ、胃腸病などをはじめとした万病に効く。アオモリトドマツがおおう高地の澄みきった空気を吸って、心身ともに思う存分羽を伸ばしたい。

蔦温泉
蔦温泉
蔦温泉
桂月がこよなく愛した、ブナ林に抱かれて建つ宿
「蔦温泉旅館」は周りを十和田湖樹海と呼ばれるブナの原生林に囲まれていて、裏手には蔦沼、鏡沼、長沼などの蔦七沼が点在している。明治時代、東北各地を旅した紀行作家大町桂月は、この地の景観に強く魅了され、雑誌『太陽』などで絶賛。のちに余生をここですごし、晩年「極楽へ越ゆる峠のひと休み蔦のいで湯に身をば清めて」と詠んだ。宿の近くの小高い場所には墓もある。湯底がくっきりと見えるほどの単純泉で、無色無臭、くせのないやわらかい湯。ブナとヒバで造られた浴槽の中に敷かれた板と板の間から、こんこんと湧き出ている。近年、やや湯治場的な雰囲気は薄らいだものの、病後・手術後の回復期に適すと聞きつけて長期滞在する人も多い。

谷地温泉
谷地温泉
谷地温泉
湯治場の風情を色濃く残す秘湯名物「だまご鍋」に舌つづみを打つ八甲田の山中、標高800m地帯にあるひなびた温泉宿「谷地温泉」。開湯400年余りの歴史を誇り、東北三大秘湯のひとつにも数えられている。木造2階建ての外観がむかしの校舎を連想させ、郷愁を誘う。大浴場には3種類のそれぞれ温度などが異なる温泉がある。入浴するときは、まず、38度Cの無色透明の湯に30分?40分じっくりと浸かり、その後、隣にある42度Cの乳白色の湯に5?10分浸かる。さらに、風呂から出る際に36度Cの冷泉をかける。こうして、順番に入浴することで一層効能が高まるといわれる。現在でも湯治に訪れる人が後を絶たない。宿の名物は「だまご鍋」。キリタンポ鍋のようなもので、キリタンポのかわりにうるち米の団子が入っている。

薬研温泉
薬研温泉
薬研温泉
本州最北端に湧く山のいで湯、大畑川の渓流沿いに宿がたたずむ下北半島のほぼ中央、日本三大美林ともいわれるヒバの樹林におおわれた大畑川をさかのぼった地にあるのが薬研温泉。付近は大畑川の支流、薬研渓谷の豊かな自然に囲まれ、湧出量豊富な温泉宿が点在する。霊場・恐山や仏ヶ浦など、下北半島の観光拠点として恰好のスポットだ。また薬研温泉からさらに2qほど奥まった地にあるのが奥薬研温泉。慈覚大師がけがを治したと伝わる温泉で、現在では露天風呂かっぱの湯、奥薬研修景公園内の夫婦かっぱの湯(男女別)が開かれており、いずれも無料で入れる。薬研温泉からは遊歩道が整備されているので散策してみると面白い。

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